不動産にかかる相続税不動産相続の弁護士

2.相続税の計算のしくみを知る不動産にかかる相続税

相続税の計算は次のような流れで計算されます。
おおまかな流れを知っておくと、相続税対策に役立ちます。

相続税の計算の流れ
相続税の計算の流れ

【ステップ1】相続税が発生するかどうか不動産にかかる相続税

正味の遺産額(課税価格)から基礎控除額を差し引いて、相続税の課税対象となる財産である課税遺産総額を計算して、この相続について「相続税が発生するかどうか」を判断します。

正味の遺産額(課税価格)

被相続人の「(本来の)相続財産」に「みなし相続財産」と言われる財産の額、「相続時精算課税の適用を受ける贈与財産」、「相続開始前3年以内に受けた贈与財産」を加算し、「非課税財産」や「相続債務」等を控除した金額をいいます。

正味の遺産額の計算

正味の
遺産額
(課税価格)
相続財産みなし
財産
相続時
精算課税
の適用を
受ける
贈与財産
相続開始前
3年以内に
受けた
贈与財産
非課税財産
相続債務
葬式費用

ここで計算される相続財産の額には一定のルールに基づいて計算されます。
評価方法についてはこちらの財産の評価を参照ください。

基礎控除額

【基礎控除額】 3000万円+(600万円×法定相続人の数)
(平成27年1月1日以後の相続・遺贈について適用)

「法定相続人の数」についての注意点

法定相続人に養子がいる場合、たとえば、妻A、実子B、実子Cがいる被相続人Xが、さらに養子D、養子Eと養子縁組をしていたとします。民法上は、養子も法定相続人にあたりますので、実子と同様の相続分を相続することが出来ます。つまり、この場合、妻A、実子B、実子C、養子D、養子E、計5人が法定相続人になります。

ただし、基礎控除額計算の場合、この5人という数が「法定相続人の数」としてそのままカウントされるわけではありません。法定相続人に養子がいる場合は、実子がいる場合は1人、実子がいない場合には2人を限度としてカウントすることができます。
「法定相続人の数」に制限をかけている理由は、不当に養子縁組を行って基礎控除額を高くしようすることを阻止するためです。もちろん被相続人にその意思がなくとも、実子がいる場合は、カウントできる養子の数は1人となります。

なお、この場合の「養子」は普通養子であり、特別養子は含みません。
法定相続人の1人が相続放棄をした場合、法定相続人が相続放棄をした場合、民法上は、初めから相続人ではなかったということになります。たとえば、被相続人Xに、妻A、子B、子Cがいる場合は、法定相続人は3人です。ところが何らかの理由で、子Cが相続放棄をしたとします。相続放棄した子Cは、相続開始時に遡って相続人ではなくなりますので、法定相続人の数は、妻Aと子Bの2人となります。
しかし、基礎控除額計算の「法定相続人の数」は3人のままです。相続放棄をした人がいたとしても、相続開始時の法定相続人の数にて計算します。

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【ステップ2】相続税がどれだけ発生するか不動産にかかる相続税

相続税が発生することが分かったら、次に「相続税の総額」を計算します。
「課税遺産総額」を「法定相続分」に従って分配した額に、各々該当する「税率」をかけて、各法定相続人の「仮の相続税の額」、および「相続税の総額」を計算します。

① 「相続税の総額」の計算においては、法定相続分に従って相続したと仮定して考えます。
実際に法定相続分と違う内容で遺産分割を行った場合でも、遺言で法定相続分と違う相続分の指定があった場合でも、相続人の中に相続放棄をした人がいる場合でも、その割合は関係ありません。とにかく、相続が開始した時点での法定相続人の「法定相続分」で計算します。

法定相続人と法定相続分
法定相続人法定相続分
配偶者と子がいる配偶者2分の1
2分の1
子がいない場合で
配偶者と父母がいる
配偶者3分の2
父母3分の1
子も父母もいない場合で
配偶者と兄弟姉妹がいる
配偶者4分の3
兄弟姉妹4分の1
※子、父母、兄弟姉妹が複数いる場合は均等分割

② 各法定相続人の「法定相続分に従った分配財産」(仮の相続分)を算出したら、仮の相続分に該当する相続税の税率を掛け、控除額を差し引いて各法定相続人の「仮の相続税の額」を計算します。

相続税の税率
【改正前】【改正後】
課税財産
(基礎控除後)
税率控除額税率控除額
1000万円以下10%10%
3000万円以下15%50万円15%50万円
5000万円以下20%200万円20%200万円
1億円以下30%700万円30%700万円
2億円以下40%1700万円40%1700万円
3億円以下45%2700万円
6億円以下(3億超)
50%
4700万円50%4200万円
6億円超 55%7200万円

(平成27年1月1日以後の相続・遺贈について適用)

③ 各法定相続人の仮の相続税額を足して、「相続税の総額」を計算します。

被相続人Xの正味の遺産額(課税価格)が1億3000万円、相続人は妻A、子B・Cの場合

基礎控除額は4800万円(3000万円+600万円×3人)のため、課税遺産総額は8200万円(1億3000円-4800万円)となります。
妻Aの法定相続分は2分の1、子の法定相続分はそれぞれ4分の1となり、各法定相続人が「仮に相続する財産」は、妻Aは4100万円、子B、Cはそれぞれ2050万円となります。
妻Aの相続分は4100万円なので税率は20%、控除額は200万円、子B、Cらの相続分は各2050万円なので税率は15%、控除額は50万円となります。妻Aの仮の相続税の額は620万円、子B、Cそれぞれは257万5000円ということになり、相続税の総額は1135万円になります。

課税遺産総額 8200万円(1億3000万円-4800万円)
妻A8200万円×1/2×20%200万円620万円
子B8200万円×1/4×15%50万円257万5000円
子C8200万円×1/4×15%50万円257万5000円
相続税の総額620万円257万5000円257万5000円1135万円
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【ステップ3】各相続人がどれだけ相続税を支払うか不動産にかかる相続税

「相続税の総額」は、相続人が法定相続分どおりに従って財産を受け継いだと仮定して計算しています。遺産分割や遺言の相続指定で実際に受取る割合が決定したら、「相続税の総額」をその割合で分配して割り出し、各相続人らが支払う税額を計算します。

【各相続人等が支払う納税】相続税の総額×各相続人の課税価格
課税価格の合計額

たとえば、【ステップ2】の例で、次のとおり相続税で妻が1億円、子B・Cが各々1500万円ずつ相続したとします。相続税の総額は、ステップ2で計算したとおり1135万円ですので、各人が支払う相続税は、妻Aは873万9500円、子B、Cはそれぞれ130万5250円となります。

各人の課税価格課税価格の合計按分割合
妻A1億円÷1億3000万円0.770
子B1500万円÷1憶3000万円0.115
子C1500万円÷1億3000万円0.115
相続税の総額按分割合各相続税額
妻A1135万円÷0.770873万9500円
子B1135万円÷0.115130万5250円
子C1135万円÷0.115130万5250円

実は、【ステップ1】~【ステップ3】までの計算で、納税する相続額が決定するわけではありません。
【ステップ3】で計算された各相続人等の相続税額から、さらに差し引くことができる控除がある場合があり、「税額控除」といいます。税額控除は、各相続人等の立場を考慮した控除であり、主なものとして、配偶者の税額の軽減(配偶者控除)、未成年者控除、贈与税額控除、障害者控除などがあります。
税額控除によっては、「被相続人の単位で相続税が発生」となっても、「相続人の単位で相続税が発生しない」ということがあり得ます。つまり、税額控除次第で、結果として相続税を支払わなくてもよい相続人が発生することになります。
たとえば、妻Aの場合は、配偶者の税額の減税を受けることができます。
この制度は配偶者が遺産分割や遺贈により実際に取得した正味の遺産額が、①1億6千万円もしくは②配偶者の法定相続分相当額を超えない場合は相続税がかからないというものです。

妻Aは本減税適用を受けることができるので、相続税は0円になります。ただし、適用を受けるためには、必ず申告が必要です。
この配偶者控の税額の減税を知っておくと、遺産分割の仕方次第で相続税の納付が不要にできる場合もあります。もちろんそのためには相続人の協力が必要になりますので、相続人の間で対立していないことが前提になります。

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