相続財産かどうかでモメる不動産相続の弁護士

相続財産かどうかでモメる相続財産かどうかでモメる

どのような財産を相続するのか

相続財産とは、相続開始時(被相続人の死亡時)に被相続人が所有している財産をいいます。
現金・預貯金、有価証券、土地や家屋の不動産、貸付金・売掛金などのほか、借金などのマイナスの財産も相続財産に含まれます。さらに、具体的な権利義務に限らず、被相続人の財産的な法律上の地位(一身専属的な権利は除く)、例えば損害賠償請求権なども引き継ぐ財産に含まれます。

では、被相続人が所有している財産をどのように調べるのでしょうか。
たとえば不動産の場合は、不動産登記によって、土地の所在地や面積など不動産の状況及びその所有者の住所氏名、担保権の有無・内容などを公開しているので、該当する不動産が被相続人の所有かどうかすぐに分かります。預貯金につきましても被相続人名義の口座であれば、被相続人の財産であることは明らかでしょう。
このように、ものに名前がついていれば、簡単に誰のものか判断ができますが、しかし、名前が付いていない場合、自分のものだと言って取り合いになることがあります。たとえば、家に置いてある現金(タンス預金)など。お金自体には名前がついていないので、誰のものか分からなくなる場合もあるでしょう。自分のものであっても自分が拠出した事実を明らかにできなければ争いになります。

名前がついている場合であっても、争いが生じる場合があります。
被相続人の名前がついていても相続財産ではない場合、一方違う名前がついていても相続財産になる場合があります。

不動産相続・名義と実態のズレ1

マンションの名義は父なのですが実際には長男がお金を出して購入していたということがあります。父が亡くなった場合に、そのマンションを相続財産としてほかの兄弟が相続分を主張してきたらどうでしょうか。不動産登記の名義は父(被相続人)なので、当然に相続財産になるのでしょうか。
逆に、息子名義の一戸建て。実際にお金を出したのは父親であるということもあります。父が亡くなった場合に、登記の名義が長男になっているため、他の相続人はその相続分を主張できないのでしょうか。
法律では、形式的な名義よりも、お金を実際に出した人が所有者であると考えます。
ただし、上記のいずれの場合も実際にお金を出した人がお金を出した事実を証明できないと、そのまま名義人の所有のモノとされます。

家族の間でお金のやり取りはよくあることです。しかし貸し借りの際にわざわざ証文をとるケースはめずらしいでしょう。預金口座に出し入れの履歴が残っている場合であればともかく、お金を実際に出したという証拠を明らかにできないということがほとんどです。証拠がない場合には実質的所有者の証明が難しくなります。結果、名義人の財産と認定されてしまうのです。

上記後者の例で、もしもお金を全額父親が出していたということになれば、不動産は父の相続財産になります。あるいは、父が頭金程度の金額を出していたということになれば、特別受益の問題になり得るでしょう。
このような問題が生じると、遺産分割の前に、まずは遺産の確定を行う必要があります。話し合いで折り合いがつかなければ、裁判によって解決することになりますので、遺産分割に時間がかかることになります。

不動産相続・名義と実態のズレ2

遺産分割の結果不動産を相続した場合、不動産の名義変更のための登記を行います。これを相続登記といいます。しかし遺産分割が済んでいても、不動産登記を忘れていたり、面倒だからといって後回しにしているケースは多くあります。所有者が変更になっているにもかかわらず、名義書換えがなされていない不動産が多くあるのです。

相続財産の中にこのような不動産がある場合も大きな問題になるケースが多いです。
相続登記をせずに何代も経過していることは珍しくなく、不動産登記をみて初めて、自宅として使っていた土地が父親名義ではなく、曾祖父名義であることを知ったということも。
このような状態のまま不動産登記を残存させておくと、いろいろな問題を生じます。
登記は実際の来歴を忠実に反映している必要があります。たとえば、曾祖父から祖父、父、そして自分と、登記が巡ってきた場合には、全員の登記が形に表れている必要があります。

相続登記を行うために遺産分割協議書が必要なため、遺産分割が整っていたにもかかわらず、遺産分割協議書が存在しない場合は、歴代の相続人をたどって改めて遺産分割協議書を作成する必要があります。
過去の相続に遡って各相続人関係者から書面を取り直すとなると、一世代で3人の子ども、さらにそれぞれに3人子どもがいたとすれば、3世代さかのぼると27人もの関係者が登場することになってしまいます。その関係者がすでに亡くなっていたとしたら、さらに関係者は増えていきます。
相続登記をしないまま放置していた不動産を相続して、いざ自分の名義に変更しようとしても簡単にできなくなります。

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