不動産売買トラブル不動産相続の弁護士

不動産売買トラブル不動産売買トラブル

不動産売買

売買は、売主と買主の「売る」「買う」という意思の一致によって成立します。契約書の作成は売買の成立要件ではないので、当事者間の口頭でのやりとりで契約は成立、その売買契約は有効となります。ただし、不動産業者が売主や仲介者であった場合、契約書の作成、重要事項説明などが必要です。
不動産の売買の場合、通常、不動産の仲介業者が契約書は用意しますので、その契約書の内容をよく読むことが大切です。今までの話と違う点やわからないことがあれば、業者の担当者に聞いたり、相談所などで教えてもらったりするとよいでしょう。

不動産売買に関するトラブル

不動産売買に関するトラブルはさまざまなものがあります。

1.欠陥住宅のトラブル不動産売買トラブル

大きなニュースとなった耐震偽装マンションのように、建売住宅など建築をめぐる紛争は少なくありません。欠陥住宅とは、住宅としての機能を果たさない、本来の契約に従わない瑕疵のある住宅をいいます。

瑕疵判断の基準は以下の通りとなります。

①建築基準法等の法規違反があること

法規に違反した設計や施工がなされている場合

②売買・請負契約に違反していること

契約通りの材料が使われていない、契約通りの仕様が施工されていない、契約通りの器具が取り付けられていない場合

③通常の品質、性能に比して劣っていること

仕様通りの性能が期待できない、部材の品質が仕様書通りの物でない、納品商品にキズがある、施工後の納まりが悪い場合

④経済的交換価値が損なわれていること

外観が見苦しい、安全性が損なわれている、居住性能(使い勝手)がよくない、維持保守のために異常な経費がかかる場合

当該建築物を点検し、瑕疵があれば速やかに対処する必要があります。
なお、住宅性能表示と建物の基本構造部分について10年間の瑕疵担保責任を義務付けた担保責任の特例を内容とする「住宅品質確保促進法」が制定・施行されています。(20年以内まで伸長可能。同法97条)

業者の修理義務不動産売買トラブル

中古住宅を買ったところ雨漏りがします。仲介業者は、契約書に「現状維持のまま」とあるので文句は言えないと言います。何とかならないのでしょうか?

売買契約において、売主は目的物に不都合があった場合、不特定物であれば他の完全な物を引き渡すことになります。一方、特定物の場合には、そのものを渡す以外に方法がないので、法律は売主に瑕疵担保責任を負わせています。瑕疵担保責任とは、売買の目的物に隠れた瑕疵がある場合、売主が買主に対して負う責任のことをいいます。買主は、瑕疵があることを知った時から1年以内ならば、売主に対して損害賠償請求ができます。また、瑕疵のために契約の目的を達成することができないときは、契約の解除ができます。

今回の場合、中古住宅の雨漏りが瑕疵にあたるかどうかが問題となります。なぜなら中古であることは、何か不都合が含まれている可能性があり、それを承知して買うという一面があるからです。中古住宅の場合、多少の雨漏りは通常あり得るものと考えられ、住宅としての機能を果たしえないような重大な欠陥でない限り「隠れた瑕疵」とは認められないことが多いでしょう。
今回は中古住宅ですが、新築住宅の場合は事情が異なります。新築住宅の場合、建物の基本構造部分については建築工事請負人および売主に10年間の瑕疵担保責任を負わせています(民法638条1項ただし書)。
注文者や買主は、この期間内であれば業者に対して、無料での欠陥部分の修繕、損害賠償、契約解除を求めることができます。

地盤が軟弱で建売住宅の家が傾いてしまった不動産売買トラブル

戸建の建売住宅を買って1年半ほどで、壁にヒビがはいって傾き始めました。建築士に見てもらったところ、その土地は蓮地であったところを造成した土地で、地盤が軟弱なため家が傾いたことがわかりました。どのようにしたらよいでしょうか?

建売住宅を販売した不動産会社が、その敷地を造成したのであれば、責任はその不動産会社が負わなければなりません。造成業者に造成工事を請け負わせた場合でも同様です。
元々蓮地であった場所の造成という軟弱地盤の理由が、一般消費者に容易に発見できない「隠れた瑕疵」に当たると考えられる場合、売主の瑕疵担保責任が認められます(民法570条)。

壁という構造耐力上重要な部分の瑕疵なので、その担保期間は引渡しから10年間です。この期間内であれば、買主は売主に対して損害賠償や、住宅の欠陥が修繕できない場合には契約解除を請求できます。今回の場合は地盤についての瑕疵であり、地盤を補強するために工事を行うにしても物理的に困難です。
そこで、契約を解除し、建売住宅を購入するために支出した費用を回収するのがよいでしょう。

注文住宅で手抜き工事を発見した不動産売買トラブル

戸建て注文住宅を建てて1年ほどで壁に亀裂が入って家が傾いてきました。別の建築会社に検分してもらったところ、明らかに工事は手抜きであったことが判明しました。請け負った業者にどのように対応したらよいでしょうか?

建築基準法では、建物の構造設備等に関する最低基準が定められています。手抜き工事であるかどうかも、まず建築基準法に照らして考えることになります。完成した建物に瑕疵があれば、請負業者は担保責任を負わなければなりません(民法634条以下)。この場合の瑕疵は「隠れた瑕疵」に限りません。

注文者は、請負人に対し相当の期間を定めて瑕疵の修繕、損害賠償の請求ができます。
ここで注意すべきことは、建物の場合には、瑕疵があるために建てた意味をなさないときでも、契約の解除はできないということです(民法635条ただし書)。

なお、壁は構造耐力上の主要な部分なので、その瑕疵担保期間は10年間です。ただし、買主が瑕疵を知った場合は、その瑕疵を知ったときから1年間しか修繕や損害賠償などの瑕疵担保請求を行うことができません。そのため、壁の亀裂が「隠れた瑕疵」ではなく誰でも簡単に見つけられるようになった場合、注文者は請負契約書の担保期間などを確認して早めに行動することが重要です。

買ったマンションの耐震強度が足りないと判明した不動産売買トラブル

住み始めて3カ月も経たない新築マンションのベランダや壁に大きな亀裂が走り始めました。業者はコンクリートの乾き具合の問題で、強度には何の心配もないと言います。心配になったので専門家に耐震強度を調べてもらうと、法定の2分の1ほどの耐震強度しかないことがわかりました。業者に何らかの責任を取ってもらうことは可能でしょうか?

建物の基本構造部分について、新築住宅の売主は、引渡しから10年間、瑕疵担保責任を負うと法律で定められています。耐震強度不足はここでいう瑕疵に該当すると考えられるので、買主は契約を解除し、売主に代金全額の返還を求めることができます。
ただし、補修が可能な場合には、原則耐震強度の補修のみ請求できます。また、買主は売主に対し、引越し費用や代替住居の確保費用も請求できます。

基本構造部分の瑕疵担保責任は10年ですが、買主が瑕疵を知った時からは1年間しか請求できないので、欠陥に気づいたら早めに対処しなければなりません。

なお、耐震強度が不足した欠陥マンションでは、住人が補修による居住を望んでも、行政から使用禁止命令が出ることもあります。大きな社会問題になった耐震偽装マンションでは、耐震強度が基準の2分の1以上か以下かで、補強するか建て直すのか結論が異なりました。いずれにしろ、耐震強度の問題は、マンションの住人全員が関係するものですので、売主への交渉も個々に行うのではなく、住人全員で行うとよいでしょう。

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2.隣近所や住環境のトラブル不動産売買トラブル

隣地との境界や境界線付近の工作物の設置、隣地通行に関する問題は、相隣関係と言われ、従来、家と土地をめぐる隣近所とのトラブルの大半を占めるものでした。しかし、近年では、高層マンション建設による日照権の侵害やプライバシーの侵害、ペットの鳴き声や悪臭、カラオケの騒音など、住宅環境のトラブルも、また大きな問題となっています。この他、高層ビルやマンションによる電波障害や景観侵害、建築工事の振動なども紛争になることがあります。

相隣関係については、民法に規定があります。(209条~238条)
民法が相隣関係として定めるのは、以下のものです。

  1. 隣地の使用に関するもの(隣地使用権、公道に至るための他の土地の通行権)
  2. 排水・流水に関するもの(排水権、流水利用権)
  3. 境界に関するもの(境界標設置権、囲障設置権、境界線上の工作物の共有)
  4. 竹木切除に関するもの
  5. 境界線付近での工作物築造の関するもの(距離の制限、目隠し設置義務)

ただし、これらは任意規定であり、また慣習があれば原則としてそれに従うこととなります。
マンションについては建物区分所有法に定めがありますし、日照権や騒音といった住宅環境は、建築基準法や騒音防止法で規制されます。また、紛争の解決には、民事訴訟法や民事調停法、公害紛争処理法のほか、裁判外紛争解決手続きの利用促進に関する法律も定められました。

隣近所や住宅環境のトラブル解決手続き

近隣とのトラブルが発生し、権利を侵害された場合、問題を解決するには、まず当事者間の話し合いが一番です。いきなり法的手段を取る方法もありますが、お互いに意見を出し合うと、意外と簡単に解決する場合があります。相手が話し合いに応じない場合や互いに妥協点が見つからない場合は裁判所に調停や訴訟を起こすしかありません。

訴訟による解決とは、裁判所という国家権力を背景にして、強制的に紛争を解決することです。一方、民事調停による解決は、不動産トラブルのような民事に関する紛争中の当事者について、管轄する裁判所の調停委員会が話し合いの仲介をし、当事者双方の歩み寄りによって紛争を解決する手続きをいいます。民事調停と似た解決法に、訴え提起前の和解(民事訴訟法275条 即決和解ともいう)というものがあります。これは、訴訟手続きに入る前の段階でなされる和解のことです。紛争解決の約束事を和解調書として残しておきたい場合に利用されます。

境界が違うことが判明した不動産売買トラブル

30年前に分譲地を購入して家を建てましたが、最近、隣家との境界の塀が私の土地に約7㎡侵入していることがわかりました。そこで、隣家との塀を正しい境界線上に移築することを請求しましたが、応じてくれません。また、仮に私の主張が正しいとしても、取得時効が完成しているので、移築請求には応じられないと言っています。

分譲地では、境界石を打って図面も交付してくれますので、購入前に実際に現地に行き、図面と現地が一致するかどうか検証することが重要です。
隣地所有者の取得時効の主張についてですが、相手方が善意・無過失で10年間自分の土地と思って占有していれば、その部分を時効取得することができます。

また、善意・無過失でなかったとしても、20年間平穏・公然と占有していれば、相手方は所有権を時効取得することができます(民法162条)。

ただ、たとえ時効が成立していても諦めずに調停で話し合うとよいでしょう。
なお、隣地との境界があいまいな場合、最終的には「境界確定の訴え」を起こし裁判所に決定してもらうしかありませんが、その前に、筆界特定制度といって登記上の土地の境界(筆界)を特定する制度を利用するのもよいでしょう。

この制度は、土地の所有名義人が法務局に単独で申し立てることができ、法務局長の指定する筆界特定登記官が当該土地の登記された時点の筆界を明らかにしてくれます。
ここで気をつけなければならないことは、筆界と所有部分の境界は別だということです。「筆界」とは、ある土地が登記された時にその土地の範囲を区画するものとして定められた線であり、所有者同士の合意等によって変更することはできません。これに対して、「境界」という語は、所有権の範囲を画する線という意味で用いられることもあり、その場合には、筆界とは異なる概念となります。筆界は所有権の範囲と一致することが多いのですが、一致しないこともあります。
時効取得はこのような別筆の一部についても発生するので、注意が必要です。

公道に出るための道が塞がれてしまった不動産売買トラブル

父から相続した宅地を兄弟3人で分けましたが、2人の兄は間もなく第三者に売却してしまいました。そのため、私の土地は袋地になってしまい、公道に出るには元兄の所有地を通らなければなりません。兄が土地を所有していた時には問題がなかったのですが、現在の所有者は、柵を作って通れないようにしてしまいました。通行権は認められないのでしょうか?

他人の土地を通らなければ公道に出られない土地を「袋地」、それを囲んでいる部分を「囲繞地」といいます。法律では、袋地の所有者に、囲繞地の所有者の承諾なく囲繞地を当然に通行する権利(囲繞地通行権)を認めています(民法210条)。

ここで、どの程度の通行権が認められるかが問題となります。
具体的には、①袋地の所有者は、囲んでいる土地にとってもっとも損害のない場所・方法で通行しなければならないこと ②幅員2m程度の通路の開設を請求することができること ③袋地の所有者は、囲繞地の所有者に相当額の通行料を支払わなければならないこと、という制限のついた権利が認められると考えられます。
ただし、慣習がある場合にはそれに従うこともあります。

隣地の建物が境界線いっぱいに建っている不動産売買トラブル

隣家が土地と建物を移転した後、新しい所有者が建物を取り壊して2階建ての住居を建て始めました。しかしその建物は、私の敷地との境界線いっぱいに建っています。境界から50cm以上離さなければならないはずではないでしょうか?

民法では、建物は境界から50cm以上離さなければならない、と定めています(民法234条1項)。
しかし、商業地域などでは昔から隣接して建築することが慣習法により認められていました。建築基準法では、防火地域・準防火地域にある建物で、外壁が耐火構造のものについては、隣地の境界線に接して建てることを認めています。
なお建築基準法上、第一種・第二種の低層住居専用地域内での建築については、建築物の外壁、またはこれに代わる柱の面から敷地境界線までの距離が、当該地域の都市計画で定められた1.5mまたは1mの限度以上でなければならないと規定しています。
したがって、当該土地が建築基準法上、どのような条件に従わなければならないかを確認した上で、隣家との関係を考えなければなりません。

日照権が阻害される不動産売買トラブル

隣地に商業ビルの建設予定がありますが、完成すれば日照権被害が生じるのは明らかです。建築工事の差止請求をしたいのですが、どのような場合に請求は認められますか?

ビルやマンションの建築ではつきもののトラブルです。この場合、日照被害が認められるかは、それが受忍限度を超えるか否かを基準に判断します。

判断基準は以下のとおりです。
①被害の程度(日照阻害の時間の程度、採光、圧迫感)
②地域性(当該地域が都市計画法上の住居地域かどうか、商工業地域か、現在および将来の高層化の程度)
③加害回避の可能性(低層でも採算があうかどうか)
④被害回避の可能性(他の方法で日照を取り入れることは可能かどうか)
⑤被害建物の用途(住宅か事務所、店舗あるいは工場か)
⑥加害建物の用途(加害建物が単に営利目的の建物でなく、学校・病院・庁舎など公共性のある建物であるか)
⑦被害者の先住性(被害者が、前々から日照の恩恵を受けていたなどの最近移転したものではない事情)
⑧加害建物の建築基準法違反の有無(著しい違反か)
⑨交渉の経過(建築計画を説明するなど誠実に対応してきたか)

これらの事情を考慮して、被害者の受忍限度を超えるか否かを判断し日照被害を決定します。

隣家の犬の鳴き声がうるさい不動産売買トラブル

隣家は数匹の犬を飼っていて、その犬が夜間や早朝によく吠えるため安眠が妨害されます。また、放し飼いにされている犬もいるのですが、私の家の庭に入ってきて糞をするので汚くてしかたありません。何とかならないでしょうか?

ペットに関する法規として、動物の愛護及び管理に関する法律があります。この法律によると、「人に迷惑を及ぼすことのないように努める」ことが定められています(同法7条)。

したがって隣家の犬の飼い方はこの法律に違反します。ただ、犬の鳴き声を規制したところで、相手は犬なので実行は難しいでしょう。民事上の救済は人格権に基づく差止請求で、何らかの防音装置をとってもらうとか、不法行為による損害賠償を請求することが考えられます。

民法718条は、動物の占有者または保管者は、その動物の加害行為につき損害賠償責任を負うとされています。よって犬の鳴き声や、糞による悪臭なども、受忍限度を超えれば加害行為となり、飼い主は被害者に損害賠償金の支払い、および具体的な犬の鳴き声対策を講じなければなりません。

隣の町工場の騒音や振動で生活が妨害されている不動産売買トラブル

家の近くに町工場があって、騒音や振動がうるさくて困っています。このような工場の騒音や振動を取り締まることはできないでしょうか?

工場の騒音や振動は、騒音規制法と振動規制法によって規制されています。
騒音規制法は、著しい騒音を発する施設を設置する工場、事業所を規制します。規制の対象となる地域は、住宅が集合している地域、病院や学校の周辺をはじめ、都道府県知事が指定した地域です。規制の内容は、環境大臣の定める基準に適合しなければなりません。規制基準に適合しないときは、市町村長は改善を勧告し、さらに是正を命令することができます。命令違反には刑事罰を科すこともできます。

振動規制法も、騒音規制法とほぼ同様の規制です。都道府県または市町村の公害課に連絡し、規制の範囲内の騒音や振動か否かを調べてもらうことができます。この他、条例による規制もありますので、各地方公共団体の公害課に問い合わせて、その内容を知ることが必要です。
なお、飲食店のカラオケ騒音や振動も、各都道府県の生活環境保全条例や風営法施行条例などにより、一定の規制を受けます。カラオケ騒音で困っている場合、最寄りの警察署または市区町村の担当課に確認する必要があります。

高層マンションの建築で別荘の眺望が悪くなる不動産売買トラブル

眺望がよいことが気に入り別荘を購入しました。分譲した不動産会社も、将来にわたって眺望を害する建物は建たないことを保証してくれていたのですが、突然、隣地に高層マンションが建つことになりました。これが建つと、眺望は全く台無しになってしまいます。眺望権を主張して、マンション建設差止請求はできないでしょうか?

眺望の阻害とは、他人の土地の上部空間を通じて周囲の自然景観を眺望する環境の阻害をいいます。裁判所は、一定の要件がそろえば、眺望の阻害が被害者の受忍限度を超えるものとして、眺望の利益を保護し、差止請求を認める場合があります。
眺望利益が保護される一定の要件とは、観光地や別荘地のように①眺望保護に値する地域であること、眺望のよい旅館として営業している場合など②眺望被害の程度が大きいこと、分譲業者が眺望を害する建物を隣地に建てないことを約束して販売していた場合や、設計変更が容易であったといった③加害者の眺望を阻害するやり方に非難すべき点があること、といったことが挙げられます。
都市部や市街地では、マンションの建設に際し、住民説明会が義務付けられている場合があります。景観など生活環境が侵害される恐れがあるときは、業者に対し設計変更などを申し入れるといいでしょう。

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3.不動産登記に関するトラブル不動産売買トラブル

売買契約が成立しても、売主から買主への所有権移転登記を経ていない間に、売主が第三者に無断で譲渡をして、この第三者が買主よりも先に移転登記を行ってしまうこともあります。この場合、たとえ買主が代金を払っていても、先に買った買主は登記がないために、あとから買った第三者に所有権者としての権利主張ができないとされています(民法177条)。
こうしたことを防ぐには、契約書の中で登記に関する事項、代金支払いの方法に関する事項、損害賠償に関する条項など履行確保の約定を入れておく必要があります。その上で、契約を済ませ、売主から登記に必要な書類を受け取ったら、すぐに登記手続きを済ませることが必要です。

また、その後のトラブルを避けるためにも、土地や建物を購入する際、購入前に購入物件の不動産登記事項証明書(登記簿謄本)を取り寄せてチェックすることが大切です。不動産業者の仲介物件の場合には業者が取り寄せてくれますが、直接、売主から購入する場合には自分で取り寄せる必要があります。その不動産の所在地を管轄する法務局やその出張所で、誰でも登記事項証明書を取ることができます。登記事項証明書は土地と建物と別々になっているので、土地付き家屋の場合は、両方の登記事項証明書を取らなければなりません。

登記事項証明書を取り寄せたら、①所有権に関する確認②土地の所在、番地、地目、地積の調査を行います。現在の所有者が誰になっているのか。もし、所有者が売主になっていればそのまま交渉を進めてもよいですが、所有者名義と売主が違っている場合には注意をしなければなりません。現在の売主が所有者である場合でも、自分の名義にしないままで、前の所有者から新しい買手の名義へと直接移す中間省略登記は、原則として現在認められていません。また、土地建物の所在・地番・家屋番号、土地の地目・地積(面積)、建物の面積などが広告や実物と異ならないかチェックします。
加えて、抵当権、根抵当権の有無、各種仮登記、仮処分仮差押登記、予告登記、差押登記などの登記が付いているかどうかを見ます。とくに、抵当権、根抵当権などの各種登記には賃貸借仮登記、代物弁済仮登記が同時に登記されていることが多く、原則として、これらの登記は、売主に抹消させた上で買い受けるべきです。

移転登記前に買った土地を売られてしまった(二重売買)不動産売買トラブル

(買主①が)買った土地が移転登記前に無断で第三者(買主②)に売られ、先に登記をされてしまいました。後から買った第三者から土地を取り戻すことはできるのでしょうか?

先に土地の売買契約をしても、所有権の移転登記をしていない間に、後から土地を購入して所有権移転登記を受けた買主がいると、後から売買契約を行った買主に対して所有権を主張することはできません(民法177条)。
この場合、土地の売主は買主①に所有権移転登記をする義務を怠った債務不履行責任を負います。ですから、買主①は売主に対し、損害賠償の請求をすることができます。以上のように、買主①が所有権移転登記を受けた買主②に対して自らの所有権を主張することができないことは基本原則です。
しかし、例外として買主②に対抗できる場合もあります。買主②が、買主①が土地を購入したことを知っているのに、買主①に対する妨害の意図で売主から土地を購入したという背信的な悪意が認められる場合には、買主①は買主②に対し、登記がなくとも所有権を主張することが許されます。
なお、二重売買の売主は、横領罪(刑法252条)で処罰されることがあります。

売主が登記の移転をしてくれない不動産売買トラブル

友人が持っている土地を買い代金全額を支払いましたが、友人は所有権移転登記をしてくれません。たびたび催告しているのですが、「ちょっと待ってくれ」を繰り返すばかりです。どうすればよいでしょうか?

不動産の売買において、その手続きの完結は所有権移転登記手続きの終了時です。登記手続きは売主と買主との共同申請で行うので、何らかの障害があって登記手続きが進まない場合、裁判に訴えて判決によって登記をすることになります。
売買があること、観念的には土地の所有権が買主に移転していること、代金の支払いも終わっていることなどを証明して判決を得れば、それを添えて買主が単独で移転登記申請をすることができます。

登記が祖父の代よりそのままになっている不動産売買トラブル

友人から土地を購入して登記を行おうとしたところ、土地の登記名義人が、友人の祖父のままになっていることがわかりました。どうすれば所有権移転登記を受けることができるのでしょうか?

通常、相続が発生すれば相続登記を行います。しかし今回の場合、何らかの理由で相続登記を経ていなかったために登記名義人が祖父名義のままになっていたのでしょう。
したがって、買主が所有権移転登記を受けるためには、売主の祖父から現在の売主に相続による所有権移転登記をし、その上で売主から買主に対して土地の移転登記をするという手続きが必要となります。祖父から現在の売主の相続による移転登記は、祖父の死亡の事実、土地を相続人の誰が相続したかなど、現在の売主が相続するまでの関係書類を準備しなければなりません。
また、売主以外の相続人から異議が出ることも考えられるので、すんなり話が進むかどうかが問題です。もし、異議が出るようでしたら、一度売買自体を見直し、相続人全員を売主として登記手続きをする方法なども検討する必要があります。

相続人が不明のとき登記の移転はどうすればいいか不動産売買トラブル

友人が20年前に父親から相続したという土地を友人から買いました。簡単な売買契約書を作り、代金は全額支払いました。その際、友人は「父親からの相続財産なので、所有権移転登記に時間がかかる」といっていました。ところが、土地が友人名義に移転した直後に、交通事故で売主である友人は死亡しました。彼の妻と3人の子どもが相続人になりましたが、次男が行方不明です。どうすれば移転登記を受けることができますか?

次男は同僚の死亡によって相続人の1人となり、相続財産に対する権利者です。
このことは、次男の行方不明が父親の生存中からか、死亡後のことであるか、ということは関係ありません。したがって、その相続財産の管理について誰かを代理人として置く必要があります。本人が失踪前に自分の財産を管理する者を定めていなければ、家庭裁判所に申し立てて財産管理人を選任してもらいます。
財産管理人は、裁判所の許可を得て、失踪した次男以外の相続人とともに、友人がした売買契約による所有権移転登記を履行することができます。したがって相続人が行方不明であっても、所定の手続きを踏むことで、所有権移転登記を受けることはできます。

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4.不動産担保のトラブル不動産売買トラブル

金銭債権の確保のため、抵当権を設定して不動産を担保にとることがあります。目的物の交換価値を優先的に支配して、債権の弁済にあてる制度です。抵当権は競売の申立てをし、裁判所の開始決定があって進行しますが、競売申立てが有効であるための要件は①有効に抵当権が設定されたこと②担保される債権が約束時に弁済されなかったことです。

債権額の争いといった被担保債権の内容や、担保として提供された物件の真の所有者は別におり、所有者の同意がないなどの抗議で、抵当権の実行に関するトラブルは表面化します。
競売手続きは、申立てまでになすべき準備があります。抵当権の設定後に所有権、地上権、永小作権を取得して、その本登記か仮登記をした第三者がいれば、その者に抵当権の実行通知を出さなければなりません。こうした手続きの瑕疵を理由に紛争が起きることもあり、競売手続きの進行中に、利害関係人から異議が出ると、手続きは一時ストップすることがあります。

地震などの災害によって抵当権の付いている建物が全壊した場合には、その抵当権も消滅することになります。残った建物の廃材にまで抵当権の効力が及ぶことはありません。
そのため、債権者である抵当権者も、このような事態を想定して、抵当権設定契約を結ぶ際に、追加担保の条項を入れたり、期限の利益がなくなる旨の条項を入れたりします。どのような特約が契約に盛り込まれているか把握しておきましょう。もちろん、全壊した建物を再築した場合、抵当権の効力は再築した建物には及びません。しかし、抵当権者は再築建物に対して、強制執行をできる旨の公文書を取得して、強制執行や仮差押えをしてくるかもしれません。この点には注意が必要です。
また、全壊という段階に至らなかったが、債務者がこれを壊してしまったという場合には、担保保持義務違反となり、抵当権者から損害賠償を請求されるおそれがあります。

借地上の建物に抵当権を設定する場合に地主の承諾は必要か不動産売買トラブル

土地を賃借して建物を所有している者に融資をし、建物に抵当権を設定する場合、地主から承諾書を取っておくべきでしょうか。また、その際の注意点はあるでしょうか?

借地上の建物を担保にとる場合、地主から承諾書を取りつけておくことが普通です。
地代の不払いが起こって地主から賃貸借契約を解除され当該建物が収去されると、設定した抵当権などが無意味になるからです。このような承諾書には、どのような法的効力が認められるのかが問題となります。
これまでの裁判例をみると、承諾書は約束文書として有効と判断しているようです。抵当権者への通知義務を地主に負担させるか否かについては、具体的事実関係を検討して判断しています。そこで、承諾書に完全な法的効力を発揮させるためには、地主に承諾書の控えを渡し、借地人が地代の支払いを怠るようになったら、必ず連絡してくれるように念を押し、地主の意思を確認しておくのがよいでしょう。

抵当権の設定がある不動産を購入する際の注意点不動産売買トラブル

信用金庫を債権者とする5000万円の極度額の根抵当権が設定されている土地を購入することになりました。信用金庫に対する残債務は3200万円です。一括して残債務を清算する余裕はありませんが、この物件を買いたいと思っています。どのようにしたらよいでしょうか?

通常、不動産の購入にあたって、その物件に抵当権などの担保権が設定されている場合には、債権者に残債務額を確認し、所有権移転登記手続きまでに残債務金を支払って、抵当権などの設定登記の抹消をしてもらうということになります。この場合、債務清算で債権者に支払った金額は、当然、売買代金額から控除されます。

今回の場合のように一括弁済できないというような事情がある場合、抵当権がついたままで不動産を買い、所有権移転登記を受けることもできます。その場合にも、債権者に残債務額を確認し、同様の条件で新しい所有権者が支払うことを承諾してもらう手続きが必要です。このような場合にも、売買代金の額を定める際、新所有者が負担する引受債務金が考慮されるべきです。

なお、今回のような根抵当権の場合、引き受けに際し、元本を確定させることが重要です。根抵当権とは、継続的取引から生じ、増減変動する多数の債権について、限度額をあらかじめ定めておき、将来確定する債権をその範囲内で担保する抵当権のことです。そのため、元本が確定しない限り、極度額まで債務が拡大する危険性があるため、元本確定が重要なのです。
また、売主が話した以外の抵当権が設定されている場合もあります。売買に当たっては、必ず登記簿等謄本で権利関係を確認し、他の抵当権や仮登記がついていないか調べること、債権者に残債務額などを確認することが必要です。

抵当権の実行で借地人・借家人に対抗力はあるのか不動産売買トラブル

駅前の土地に、銀行から融資を受けて商業ビルを建てました。当初からテナントも埋まり、ビルの経営は順調でした。しかし他の事業で失敗して、ここ半年間、融資金の返済も滞っています。最近になって、銀行が商業ビルに付けた抵当権を実行し、競売を申し立てました。この場合、テナントはどうなるのでしょうか。何か請求などされるでしょうか?

抵当権が実行されても、抵当権設定前に契約した借家人は、抵当権者や競売の買受人にそれぞれの借家権を主張できます。この場合は、借家人から何か請求されることはないでしょう。しかし、抵当権設定後の賃借権契約の場合、たとえ登記や建物についての占有があったとしても借家人は抵当権者等に対抗できません。
ただし、いきなり出ていけと言われても困るので、買受けの時から6か月は明け渡しが猶予されています。つまり、借家人が行うことができるのは、買受けの時から6カ月経過するまで買受人に建物の引渡しを拒むことだけです。テナント契約は、通常建物完成後に締結するものなので、入居中のテナントはすべて銀行の抵当権の登記後に契約したものと考えられます。
従来であれば短期賃貸借制度により、建物の賃借期間が3年間を超えなければ、その期間は借家人の賃借権は保護されました。しかし現在、短期賃貸借制度は廃止されましたので、テナントは法律の保護を得ることができません。もし、新しい買受人から明渡しを求められると、テナントは明渡しを余儀なくされ、借家権を保護されないという結果になります。

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5.住宅ローンのトラブル不動産売買トラブル

一戸建て、マンション、新築、中古と種類はさまざまですが、マイホームを購入する際、大半の人が住宅ローン計画をたてると思います。どこから、いくら借りるか考えることは、それはそれで楽しいプラン作りですが、ローンは借金だということを忘れてはなりません。いくら借りられるかではなく、いくらなら今の生活を維持しながら返せるかに重点を置いて計画を立てる必要があります。

住宅ローンの返済は、20年、30年というように長期間に及びます。その間に、病気、火災、会社倒産など、不測の事態が起こらないとも限りません。では、万一、住宅ローンの返済ができなくなった場合には、どうすればよいのでしょうか。

返済できない事態に至ったときは、金融機関に対して早めに事情説明をし、実現可能な今後の方針を説明し相談すべきです。住宅ローンを取り扱っている金融機関に相談に行けば、何らかの対策を考えてくれます。金融機関で構成している各地の銀行協会では「銀行とりひき相談所」を設けており、消費者の相談に応じています。
また、最悪の場合でも、個人版民事再生法を利用する手段もあります。しかし、決め手となるのは実際に融資を受けた金融機関の窓口ですので、そこで相談をするのがよいでしょう。

震災の被害に遭い、住む家がなくなり、職を失い収入が無くなったからといって、住宅ローンの支払義務が消滅するわけではありません。
しかし、これまで自然災害の場合には、何らかの施策が講じられてきています。たとえば、阪神・淡路大震災の場合には、公的機関の住宅ローンばかりではなく、民間の金融機関の住宅ローンでも、支払期間の延長、一定期間の支払猶予などの軽減措置がとられました。被災者のできることは、自己の融資先の窓口に問い合わせ、特別な措置がとられていないかどうか、とられていない場合でも粘り強くこちらの事情を伝え交渉するしか方法はありません。
また、場合によっては裁判所の手を借りて、調停手続きを利用し、支払猶予の話し合いをすることも一つの手段です。

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6.不動産の売却・買い替え・建て替えのトラブル不動産売買トラブル

売主となる際の注意点

売主はできるだけ高値で売りたいと思うものです。しかし、高く売るために抵当権が設定されていることや、家屋に損傷があることなどを黙って売りつけることはできません。物件に瑕疵がある場合は、重要事項説明書に記載し、必ず契約前の段階で、買主に対してその物件に関する重要な情報は与えなければなりません。
重要事項説明書への記載を怠ると、後で損害賠償請求や契約の解除をされることもあります。
依頼した業者に対して、正直に申し出なければなりません。また、国土利用法や農地法等で、一定面積以上の土地取引をする場合は、都道府県知事等での届出や許可が必要な場合があります。取引が大規模な場合は気をつけなければなりません。

契約の際の注意点

後になって話が違うなどということがないように、証拠書類としての書面を作成して両当事者で確認の上、保管しておくことが大切です。また、必要な書類などは事前に準備して遺漏のないようにしましょう。

買い替えの注意点

買い替えで重要なことは、購入金額は売る物件から得ることになるので、いくらで売れるかの算定を厳密にすることです。したがって、甘い計画を立てていると物件が売れない、予定より安くしか売れないということになりかねないため、資金計画がすぐに破綻してしまいます。
また、買い替えは、売却と購入を同時にするのがよいとされていますが、売却がスムーズにいかない場合のことも考えて①購入を急いでしないこと②購入を急ぐ場合には、つなぎ資金のことも検討すること、といった対策を立てておくとよいでしょう。
買い替えでは、購入と売却の両方を一度に進めるため、動くお金も大きくなります。また、手続きも大変なので、事前に計画を綿密に立て、かつ信頼できる業者に依頼することが重要です。

住宅建て替えの注意点

住宅の建て替えは、土地を買って建物を新築する場合と同様です。ただし、建て替え特有の問題もあります。

①建築規制の変更

現在の建物が建てられた時と、建築規制が変わっている可能性があります。そのため、土地によっては、規制をクリアできず、建築できたのに建て替えができない場合もあります。なお、建て替えができなくても、補修はできます。

②地主の承諾

土地が借地(賃借権)の場合には、地主の承諾が必要です。承諾なしに建て替えを行うと、契約違反として借地契約の解除原因となります。地主が建て替えを承諾しない場合には、裁判所に申し立てて、地主の承諾に代わる許可を得る必要があります。また、必ず見積もりを取り、契約書を作成してください。

騙されて不動産売却をした場合、取り戻すことはできるのか不動産売買トラブル

所有する駐車場の土地300㎡の隣接地に、人骨が大量に埋められているとの悪い噂がたちました。買主から、自分が所有する駐車場にも人骨が埋まっていると言われ、今のうちだからといわれて、安値で売却しましたが、その話は根拠のない話とわかりました。この場合、売買契約を取り消すことはできるのでしょうか?

売買契約による不動産の取引は、売主と買主の意思表示(合意)で有効に成立します。しかし買主が噂を利用し、売主に誤った判断材料を与えて、それによる売買契約を成立させたとすると、その契約の意思表示は詐欺に基づく意思表示であるとして取り消すことができます(民法96条)。

取り消す方法は、買主に対して口頭で行っても有効です。けれども、後に証拠を残す意味においても、内容証明郵便がよいでしょう。なお、今回のような状況で、人骨が自分の土地にも埋められていると誤解した上での契約だとすると、表示された「動機の錯誤」による意思表示として、無効の主張もできます(同法95条)。

登記済証を紛失した場合、土地を売ることはできないのか不動産売買トラブル

父から相続した土地を売却することになりましたが、権利証が見当たりません。この場合、どのような方法をとればよいでしょうか?

不動産売買による所有権移転登記は、物件の新所有者と前所有者が共同で申請します(書面またはインターネットによる 不動産登記法60条)。

その場合、申請書には原則として、売買契約書(または登記原因証明情報)、登記義務者の印鑑証明書、権利に関する登記済証(または登記識別情報)、登記権利者の住民票抄本、土地の評価証明書などの添付が必要です。なお、新不動産登記法で導入したオンライン申請は、現在すべての法務局で申請できます。登記権利者には、従来の登記済証(一般には権利証)の代わりに偽造のできない登記識別情報(パスワード)が交付されます。

ただし、従来の権利証が使えなくなるということではありません。
権利証を紛失した場合、従来は当該不動産を管轄する法務局で、不動産を登記したことのある成年者2人以上によって売主などの登記義務者に間違いないことを証明する保証書を作成してもらい、それを権利証の代わりに登記申請書に添付していました。
しかし、新不動産登記法では保証書の制度が廃止されました。代わって、登記申請後一定期間内に登記義務者から当該申請が適法である旨の申出があって始めて登記所が登記手続きをとる①事前通知制度、弁護士や司法書士など資格者代理人から登記義務者が本人に間違いない旨の情報が提供され、登記官がそれを相当と認めた場合に、登記手続きが取られる②登記官による本人確認、③公証人による認証、という3つの制度が設けられました。なお、オンライン申請において交付される登記識別情報を紛失した場合も同様です。

買わされた土地と見学した土地が別のものであった不動産売買トラブル

家も建たないような山林の土地を造成をして売ることができるものにしたので、将来のためにその土地を買ってみてはどうかと勧められました。現地を見て、業者の説明も受け、安心して売買契約を結びました。しかし、実際に買わされた土地と見学した土地は別の土地でした。どうしたらよいのでしょうか?

契約は取り消すべきです。無価値な土地を売ることができるものにしたと称し、他の土地を見せて買わせるという方法で、あなたを騙して売買契約を結ばせたのですから、詐欺に基づく意思表示として契約を解除することができます。この場合、契約解除だけでなく、刑法上の詐欺罪(刑法246条)にも該当します。責任逃れをさせないように、早く手を打つことが大切です。

契約の際の土地面積と実測面積が異なる不動産売買トラブル

家を建てるため、登記簿上の面積135㎡の土地を購入する売買契約を締結しました。
しかし、後で土地家屋調査士に測ってもらったところ、130㎡しかありませんでした。その差の5㎡分の代金を返してもらうことはできますか?

契約にあたってどのような約束をしていたか、また、それが契約書に書かれているかどうかが問題となります。たとえば、「本契約書に記載してある土地面積と登記簿上の面積との間に差異が発見されても、売主買主双方は互いに売買代金の増減等請求をしないものとする」といった文言が契約書にある場合、たとえ130㎡が実測面積だとしても、足りない5㎡分の代金の返還を求めることは原則としてできません。

こうした紛争を防止するためには、約束を文章にして保管しておくことが重要です。
例えば、もし、実測面積によって売買代金を定めようとする場合には、「売買代金は1㎡あたり金○○円とし、後日実測した面積と本契約書上の面積とが相違したときは、上記平方メートル単位に基づいて精算するものとする」などと表示するとよいでしょう。
このような記載がない場合には、契約当時、売主と買主はどのような意思表示をして契約したかによって決定することになります。

業者のセールストークで買わされた家を解約したい不動産売買トラブル

「格安」「新駅決定」という建売住宅のチラシが入っており、家を買いたいと考えていたので物件を見に行きました。今ある駅からは歩いて30分近くかかりますが、新駅ができれば駅まで5分ほどとなります。売主の不動産業者が新駅は3年後にできることが決まったと言うので、一戸建てを買うことにし、業者と売買契約をして頭金100万円を支払いました。ところが、新駅の計画などないことがわかり、解約したいと思います。業者は、頭金は手付けだから返さないと言っています。

100万円が頭金でも手付けでも、不動産業者には虚偽広告という不法行為があるので、買主は契約を解除し、業者に100万円の返還を請求できます。
なお、新駅決定の偽りの情報が業者の故意や重大な過失によるものでない場合でも、買主は消費者契約法に基づき契約を解除することができます。

消費者契約法では、不実の告知、断定的判断の提供、不利益事実の不告知、不退去、監禁といった業者の不適切な行為で契約した場合、消費者は、そのことを知った時から6カ月間、または契約締結の時から5年間は無条件で契約を取り消すことができます。
また、買主が物件の引き渡しを受け、実際に引っ越してしまったという場合も原則解約ができ、売買代金のほか、引越し費用や登記費用も請求できます。
ただし、このような業者は自分が不利になると意図的に会社を潰し、返金を免れようとするところも少なくありません。おかしいと思ったら、早々に返還請求手続きを取る必要があります。

買おうとしている物件に借家人がいる不動産売買トラブル

一軒家を探していたところ、友人に「現在、賃貸している自分の持ち家を買わないか」と持ちかけられました。現在の借家人は来月末で立ち退くことになっていると言います。その物件が気に入ったので、ぜひ買いたいと思いますが、どのようなことに注意したらよいですか?

定期借家契約で契約期間が終了した場合などを除けば、借家人は、賃貸物件の所有者が変わっても引き続き借家に住む権利があります(借地借家法31条)。

新しい所有者から立ち退きを迫られても、原則として借家を明け渡す必要はありません。つまり、借家人が立ち退かない限り、買主は購入した物件を自分で使うことができないということです。

賃貸物件を買う場合、まず賃貸借契約書を確認してください。定期借家であっても契約の期間中は、立ち退きを要求できません。

また、定期借地でなければ正当な事由がない限り、借家人を立ち退かせることはできません。
また、「借家人は立ち退きを了承している」という売主の言葉を鵜呑みにするのではなく、借家人に直接その意思を確認しなければなりません。
借家人にその意思がないと、買主は借家人に対し改めて賃貸借契約の解除と明渡しを求めるしかなく、正当な事由がなければ借家人を立ち退かすことはできません。

この場合に買主は購入目的を達成できないので、売主との売買契約を解除し、代金の返還を要求できます。しかし、売主が代金を費消しているなど、どうにもならない場合もあります。借家人が立ち退きを了承している場合には、「何月何日までに立ち退く」という内容の念書をもらっておくと、後々問題が発生した場合、買主に有利な証拠となります。
借家人のいる物件を居住目的で購入する場合、できる限り借家人に立ち退いてもらってから売買契約を締結した方が安全でしょう。借家人の立ち退き前に契約する場合には、「代金支払いは借家人の立ち退き後とする」といった特約を付けるとよいでしょう。

売主が滞納した負担金の支払いを請求された不動産売買トラブル

友人から、築20年のマンションを買ったところ、管理組合から友人が滞納した修繕積立金1年分計25万円を請求されました。また、2年後に各戸200万円ずつ負担して大修繕を行うという話を、マンション購入後に初めて聞きました。今から友人に交渉し、修繕積立金や大修繕の費用を値引きさせて取り戻せないでしょうか?

マンションの住人が管理費などを滞納したまま区分所有権を売り払った場合、その義務は新しい買主が負うことになります。
しかし、滞納の事実を知らずに契約したのであれば、売主に滞納した25万円を支払うよう求めることができます。支払いを拒んだら、小額訴訟を起こすのもよいでしょう。ただし、滞納分を考慮して売買価格を決めている場合もあるので、契約書を確認しましょう。
もし、契約書に負担金の未払い分も買主が負担する旨の特約があれば、買主が払うしかありません。
次に大修繕についてです。今回の取引の場合、売主は業者ではないので宅地建物取引業法も消費者契約法も適用されません。民法の錯誤を主張する余地はありますが、売主が大修繕の情報を教えなかったことを理由に、買主が改めて値引きを要求することは難しいでしょう。

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